角膜とは、眼球の最も外側の部分の透明な膜で、よこ11mm、たて10mm、厚みは0.7mmあり、「くろ目」にあたるところです。これに連なっていわゆる「しろ目」の強膜があります。
役目としては、限球の形を保ち、外の光を通して光を屈折させ、ひとみの中に光を送り込みます。つまりレンズの働きをするのです。光の屈折力は、角膜と前房で眼球全体の屈折力の2/3にあたります。(平均:約42D)
角膜の特徴としては、
1.血管のない組織(無血管組織)で、周囲の血管網と前房水と涙によって栄養をとっています。また酸素は、ほとんど大気中からとっていますが、涙液からもとっています。
2.痛覚、冷覚には非常にするどく、また痛覚は角膜中央部のほうが周辺部より敏感です。神経支配は三叉神経です。温覚についてはあるかどうかはっきりしていません。
3.温度は表面をうるおす涙の蒸発のため体温より少し低いのが普通です。
4.形としては、ラグビーボールのような楕円形と考えてよいでしょう。(平均縦10mm・横11mm)
表面より上皮、ボーマン膜、固有質(実質)、デスメ膜、内皮の5層で構成されています。眼の屈折力全体のおよそ2/3は角膜によるものです。
■上皮細胞
5~7層の細胞から形成され、厚さは約50~80マイクロメートです。この細胞は手術などにより切除してもまた再生します。
■ポーマン膜
角膜実質の表面にコラーゲン繊維というタンパクが網状になり薄く膜を形成しています。
■角膜実質
角膜の厚さの約90%を占め、主にコラーゲン繊維と繊維の間にネットワークを作るように存在している角膜実質細胞から出来ています。角膜実質は、手術などで切除しても再生はしません。
レーシックでは、この角膜実質にエキシマレーザーを照射し、切除します。
■デスメ層
角膜実質と角膜内皮細胞を密着させている薄い膜状の構造です。
■角膜内皮細胞
角膜内の水分を房水中に汲み出して水分調節を行うポンプの働きをしている大切な細胞です。
この細胞は一度死ぬと新しく再生しません。生まれた時には、1平方ミリメートル当たり約3,000個の内皮細胞が存在し、年齢とともに減少していきます。
成人平均で約2,000~2,500個程度です。角膜の一番内側の一層からなる細胞で、厚さ約5~10マイクロメートルで、六角形細胞がシート状に並んでいます。