まぶたは眼球を外傷から守り、日の乾燥や寒さから守る働きをしています。
一重まぶたは、まぶたの下の脂肪が多いため、厚くてふっくらとしています。日本人のようなモンゴロイド系の黄色人種に共通する人種的な特徴です。
二重まぶたは、一重と逆にまぶたの下の脂肪が少ないため、まぶたにたるみができて二重になっているものです。ヨーロッパ系の人種の特徴です。
しかし、一重の人でも、やせたり年をとってまぶたの下の脂肪が少なくなってくると二重まぶたになってしまいます。まぶたの本当の役目からいうと、二重より一重の方がよいわけですし、両親から与えられたこの世でたった二つのまぶたですから、大切にしてください。
まぶたの間(瞼裂)の大きさは、人種や個人差によって狭い場合や広い場合があります。特に、日本人はあまり広い方ではありません。しかし、幼児の瞼裂の横幅は、高さに対して短いため、全体的にまるくみえます。そのため、目がバッチリして見えるのです。
まばたきには次のような役目があります。
(1) 涙が角膜を等しくうるおし、清浄にして角膜を守っています。
(2) 目の運動と同時にまばたきが起こり、目の運動の間に起こる”像のボケ”を感じさせないようにしています。
(3) 眼圧が上昇するのを防ぐために、まばたきによって房水の流れをよくします。
(4) 涙を結膜のうから涙の道(涙道)へうまく流し出す働きをしています。
まばたきには次の三つの種類があります。
(1) 周期的まばたき
自然に起こるまばたき。生後数カ月の赤ちゃんにはまばたきはなく、幼児では1分間に3~13回、小児では8~18回、おとな男子では約20回、女子では約15回くらいで、年齢とともに多くなります。
周期的まばたきは、目をつむるときはゆっくりと、開くときはより早くなります。おとなが目をさましている一日の約10%はまばたきをして目をつむっていることになります。まばたきの回数が多い人は新幹線や飛行機のパイロットになるのはむずかしいようなので、ある程度は意識して少なくするようトレーニングしておくとよいと思います。トレーニングにより最高20秒くらいまでなら目をパッチリと開いたままにできます。
(2) 反射性まばたき
目に対する一種の防御反応でまぶたや結膜、とくに角膜が刺激されると瞬間的にまばたきをします。これにより、目に異物が簡単に入るのを防ぎます。そのほか、急に目の前に物があらわれたり、急に強い光が目に入ったときにも反射的にまばたきをします。
(3) 随意的まばたき
意識的なまばたき。めくばせ(ウインク)するときのように、自分の意思でまばたきをする場合もあります。
あくびやくしゃみをすると、表在性の顔面筋(顔の筋肉)が運動を起こします。この顔面筋とまぶたを閉じようとする眼輪筋の運動は、大脳皮質下の共同運動であるため、眼輪筋も運動を起こし、自然にまぶたが閉じるのです。